妄想日記〜季節使い

2002年7月14日
それを知ったのは彼がいなくなってから

オズの魔法使いじゃないけど
東西南北を司る季節の使いがいて
それぞれの方位と季節を守っている
・・・らしい。

一応は後継者がいるらしいが
季節の使いに付く妖精たちが、勝手に決めている。

そして彼は夏を司っていた。
・・・なんて当の本人も知らなかったんだけど

運命は悪戯なもので
妖精たちは夏を司る彼の側にいたわたしを冬を司る使いに選んだ。
夏と冬はいわば正反対の性質を持った季節で
お互いが同じ季節を過ごすことは出来ない。

でも、お互いはそんなことも知らぬままに

月日が経ち、彼は目の前から消えていた。
そして耳元で声がした。


「冬に夏は似合いませんからね」

そして今年も新しい夏がやってきた。

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